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遷宮の思い出(二)

石灯籠は倒れず

福岡県西方沖地震は平成17年3月20日11時頃起きました。

この日は春の霊祭りの準備中で、多くの人が神社に向かっておられました。地震の揺れは立っておれないほどで、大広間に居た全員がしばらく座り込んだのを憶えております。神社はこれといった被害はなくお祭りの準備を続けておりましたが、道路の渋滞が起こりお祭りに遅れる方が出たり、かなりの大きな地震だったことが来られる方の報告で知りました。

参道に立っている石灯籠は遷宮に浄財を奉納いただいた方のお礼にお名前を刻んで建てたもので、社務所参集殿の完成の記念とこれからはじまる本殿拝殿の御造営に弾みをつける意味で計画より少し早めに建てたのでした。そして、この地震の前年の11月に石灯籠が倒れる夢を見まして、年末の忙しい時でしたが西島茂行氏(現神社総代)に、急な階段横の灯籠は基礎の強化工事をしてもらっておりました。

地震当日は私はそのこと自体すっかり忘れていましたが、西島さんは自分の行った工事だったので、すぐさま駆けつけてくれました。西島さんは数週間前から、普段見ることのない妙な雲を見るので写真を撮っておられ、それを見せていただきました。いわゆる地震雲というものなのでしょうか、施工責任者には地震のお知らせがあったのでしょう。事前に夢で私に知らされ、次に施工責任者である西島さんにもお知らせがあったと大変感慨深く思いました。

この不思議な霊験、この経緯を知る総代、世話人、崇敬会の人々の間にはかなり困難な遷宮でしたが必ずやれる、天佑神助は必ずあるという強い確信と連帯が生まれました。