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皇室と神社

天皇陛下は日本の国の象徴として様々なご公務を行われていらっしゃいますが、我が国が始まって以来続けられている最も大切なお務めは神々をお祀りになることです。

宮中祭祀の起源は『日本書紀』の天孫降臨に際して、皇祖神である天照大御神が天孫・瓊瓊杵尊に自らの御霊を八咫鏡に鎮めて祀るように授けられた(宝鏡奉斎の神勅)故事によるものです。そして歴代天皇はこの神勅のもとに、御自ら神々を祀ることを何より大切にし、実践してこられました。

そして、今日も八咫鏡は伊勢の神宮にご神体として祀られ、その写しの鏡は宮中三殿賢所において厳格に祭祀されています。
(宮中三殿には賢所をはじめ、歴代天皇・皇后・皇族を祀る皇霊殿、八百万の神々を祀る神殿が設けられ、天皇陛下御自ら祭祀が行われています。)

陛下の御祈念の内容は、我が国の発展と、国民の幸福、五穀豊穣、世界各国の平和と言った天下万民のための公の祈りであり、天照大御神をはじめとする神々の御心をそのままお受け継ぎになられています。こうした陛下のお手振りを拝して、各地の神社は祈年祭や新嘗祭を始め毎年恒例のお祭りを厳粛に執り行っています。

この神祭りは万世一系の天皇陛下の大御心を承り、日本神話を起源とする祭祀を今に継承してるものです。この祭事を行うことは「天壌無窮の神勅」にいうところの、天照大御神の御心のままにこの世を治め行うならこの世は栄えていく、というお約束をこの世に具現化することです。つまり神祭りは神様とのお約束を担保する祈り(作業)ともいえます。それ故に、毎年重ね重ねに同じ事を繰り返して行くところに重要な意味があります。

祭は神と人が感謝と共に一体となって喜び合うことであり、神まつる人々が天照大御神の御心と一つになるということです。それゆえに神祭りで大切な中心は大御心=神ごころ=浄心です。神まつる人々は祭を通して無意識の内に自我を離れ、神人一体・君民一体となります。

全国各地の神社はその大小にかかわらず、陛下の我が国の神々に対する御敬神の念を仰ぎ、この精神を本としてお祭りが行われており、ご皇室の祭祀と神社は深い結びつきがあるのです。