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幸せ(仕合わせ)は命の元よりやってくる

《迎春行事について》

日本人はお正月を迎える準備にずいぶんと時間と手間をかけてきました。お正月は歳神様をお迎えする大切な行事です。その為に家の内と外を清浄にする大掃除をします。注連縄を張り巡らしその中を清め、魔が入ってくるのを防ぎます。門松を立てるのは神をお迎えする準備が出来た印とします。神棚もきれいに掃除してご神札を取り替えておきます。お雑煮は家長が作り神様に供えて、自分たちも同じものを食べる神人共食儀礼です。おせち料理も神様をおもてなしする為のもので、縁起を担いで言祝ぎます。
お正月には神様から新し年を生きる命を頂きます。その御しるしとして、お供えしたお餅を年長者から頂いておりました。これがお年玉という風習になったと言われています。
このように神様から命を頂き、自然の恵みを得て生かされている人と神様は親子のような関係です。
みどり子が 母の手により 抱かれる
その有様じゃ 神と人は

吾が子見て 喜ばぬ親は なかりけり
神と氏子も また変わらぬぞ

神の慈悲 何にたとへて 知らさなむ
みどり子はぐくむ 母の情けに

上の御神歌に見えるように、神様の人への愛情は母親がわが子を思う気持ちと同じです。神様は遠くに居られるのでなく、私たちのことを心配して気にかけて、蔭から見守る母親のような存在なのです。
人の幸せは命の元である神様からもたらされます。日本人はその命の元を大切にする生き方、言い換えれば親孝行の道を大切に守ってきました。それで、正月の準備に惜しみなく時間をかけ、多くの行事や決まり事を大切にした理由が良くわかります。