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瑞穂の国

瑞穂の国とは食料の実り豊かな平和な国。それは、私どもの祖先が天照大神様からお預かりしている永遠に栄える稲作の国。
 『古事記・日本書紀』の神話には天孫降臨に際して、皇室の祖神天照大神が「高天原にある齋庭の稲穂を我が子に与えなさい」と命じられたと記されています。天孫降臨は日本の稲作のはじめであり、皇室は稲作の中心と言うことになります。
 天皇様が今も御田植えから稲刈りなどの農耕と祈年祭や新嘗祭の神事まで行われるのは農業が国の基本であり、その昔の手ぶりを行うことが永遠に続く瑞穂の国の証しだからです。
 私どものご先祖が続けてこられた、自然の恵みに感謝し、恵みを分かち合う和の国の生き方。これは他の国々にはない考え方ですので、私どもがしっかりと継承して行かなくてはならないことです。

 どこの田舎に行っても田園風景はとても美しく癒されます。たんぼ、畑、水路、あぜ道、里山、雑木林、農村が織りなす景色はそのまま芸術です。時折出合う田園風景にはどんな立派な庭園だってかなわない素晴らしい景色があります。誰もが何としてもこの景観は残していきたいと思うでしょう。

 近頃、食料について安全性や自給率、農業の将来などに関心が高まっています。日本は経済成長によって工業製品を輸出して、外国の食料を安く買うようになりました。それは国民に豊かさをもたらしましたが、飽食の時代も極まり年間千九百万トンもの食料を廃棄しています。(開発途上国に対する世界各国からの食糧支援の三倍相当)
 「食べることは生きること」であり、自然の恵みである食べ物は神から頂く生命そのもの、賜り物です。一昔前なら、食べ物を粗末にすることなどなく「もったいない」、「罰当たり」と誰も出来なかったはず、「目が潰れるぞ」と叱られたものです。
 しかし今では食料が単なる商品化し、投機の対象とされています。私どもは利益優先、経済合理性至上主義に惑わされ、二千年以上続いてきた本来の生き方を見失っています。神の賜り物に感謝もせず、粗末にすれば、人はやがて神罰を受けることになるでしょう。

 日本文化は稲作農耕を中心とした生活の中から長い時間を掛けて培われてきました。「稲作農耕」と「食」は日本人の考え方や生き方、価値観、倫理観に関わる重要な問題です。そして、私どもにとって食は死活問題であり、農地は防災、治水、環境など生活に直結する問題です。瑞穂の国の子孫である私どもは目先の損得にとらわれずしっかりと「農業」と「食」について考えなくてはなりません。
※ 世界の人口は急激に増加しており、食糧の生産がそれに追いつかない。また、世界中で異常気象が続いていることなどから、近い将来、世界規模の食料危機が危惧されています。その時日本は食料輸入が出来なくなるでしょう。